※この記事の中に視聴者を馬鹿にしたような発言がございますが、それは某監督さんのパロディです‥。その監督さんの発言もオフレコな場所とかで言われている(といっても流出してる)冗談がベースになってます。あまり真剣に受け取らない用にご注意下さい。どこかって?それは読んでみて下さいwwww。
はじめて作った作品である「たいせつなじかん」を制作しながら考えたことをご紹介いたします。
↑まだ見てない方はこちらからどうぞw。
正直かなり頑張って作ったのですが、やはり経験不足というか、ほんとうに知らない事が多くて、いろいろと間違ったこともやってます。そのあたりもちょと反省してみたいと思います。
第一回目の今回は、主にストーリーや設定について振り返ってみたいと思います。
■コンセプトについてこの物語を書くにあたって、一番重要になったのは、3Dアニメで演劇をやろう!というコンセプトです。良くも悪くもすべてにおいて、このコンセプトの制限を受けています。実際に舞台を用意してもよかったのですが、そうではなく、自宅で演劇の練習という形にしたのは、あまりに制限が発生するためで、ほんとうに舞台劇をアニメでやるのは難しいわけです。アニメで舞台劇をというコンセプトは、押井守監督の「御先祖様万々歳!」の存在も大きいわけですが、用意できてるモデルが2体しかなく、コンテストの締め切りまで1ヶ月しかなかったので、(実際にはコンテストはその後5ヶ月延期になるのですがw)一人のキャラが自宅で演劇の練習をするという設定になったわけです。
実際に練習する演劇の台本の内容についてですが、シェークスピア的な古典にするか、もうちょっとふざけた学生が書いたオリジナルにするか悩みましたが、わたしが演劇の古典にほとんど精通してないので、学生が書いた馬鹿馬鹿しい台本という設定になりました。
■舞台劇に合った演出とキャラクター演劇と言えば、最大の見所はオーバーな演技です。用意していた主人公が少女なので、演劇の中の主役はお姫様しかないだろうという流れで話が決まりました。しかし、よりオーバーな演技がほしかったので、ふつうのお姫様ではなく強烈なキャラが必要でした。そこで、当時連載中だった「ワンピースの蛇姫様」がそのモデルとして白羽の矢が立ったわけです。実際に単行本も買って、仕草なんかをかなり研究しました。その成果もあって「踏んでください」というタグを付与していただいたことは、制作者冥利につきるというものです。また、声優さんには、大変熱演してもらって、かなり良いキャラに仕上がったと自負しておりますが、声優さんは、主人公の心境同様にほんとうに嫌そうでしたw。嫌な役を熱演させてしまってすみません!!でも、大人気ですよww
■平行する別世界で構成されたストーリー演劇の練習と平行して回想シーンが描かれます。これは、ほんとうに練習だけをやる構成では、あまりに物語として平坦になってしまうからです。現在と演劇の物語の世界と過去の思い出、三つの世界がひとつに集約されていく構成になっています。分かりやすいところで比較すると手塚治虫の「火の鳥太陽編」やジブリの「耳をすませば」、あと「大長編ドラえもんのび太の魔界大冒険」なんかの構成と近い技法です。実際に一番影響を受けてるのは、アーサーCクラークの作品で、私はクラーク作品の中で一番好きなのですが「楽園の泉」という名作があります。この話は、はじめて読むとまったく意味の分からない話が平行して描かれているのですが、最後にきれいにひとつにまとまります。はっきり言いますが、成功してるかどうかは別として、まず素人には書けないストーリーの構成の仕方です。一応ストーリーについては仕事でも書いてるのでド素人ではないのですが、映像がド素人なので、うがった見方をされていると思うと歯がゆいのです。構成に関してはそういうかなり高度なことをやってるわけです。
この構成の欠点としては、ほんとうに途中まで意味不明になります。見る側にもある程度の慣れが必要になるので、もしかするとほんとうに最後まで理解できない方もいるかもしれません‥。逆に回想シーンが何かに起因して、分かりやすくつながってしまうと、この構成は失敗で、最後にだけ集約されるのが成功なのです。短編なのでなんとかなってますが、大長編の小説でそれをやってのけるアーサーCクラークの構成力にはほんとうに驚嘆させられます。そういえば、ハリウッド映画ではまず、この手の構成の話を見る事はないですね‥。
■三幕構成についてハリウッド映画だと、山場のポイントを三幕構成で設定しているものがほとんどだと思います。本作も、ふつうに三幕構成になってます。劇中で実際に「クライマックスが近づいている」という台詞を入れてるぐらいですし、むしろ三幕構成にならない脚本を書くほうが難しいくらい体に染み込んでいるので、ここをはずす事は、もはや難しいと思います。ただ、ひとつ失敗したのは、前述の三つの世界が平行しながら最後にまとまる部分で、構成的にかなり複雑になってしまって、演出がついてこれない状態になり破綻しています‥。ラストのところが何か省かれたような物足りなさがあるのは、そこで私の構成意図が演出能力の限界に到達してしまったためです。ほんとうは、すごく泣けるシーンになるはずなのですが、ちょっと見ていてついていけない感じになってしまってます‥。心残りとは何なのか?二人が喧嘩したという事実が、物語だけのものなのか、現実にも喧嘩していたのか?台詞だけで終わりとは、あまりに酷い演出です‥。本来なら二人が喧嘩しているカットくらいは入れるべきでした。ほんとうにすみません‥。もし生まれ変わることが出来たなら、もうちょっとしっかりと演出します‥。また、最後の最後に黒髪の子は実は死んでいることが明かされるわけですが、それもちょっと唐突になってしまってます。複線を置くべきでしたね‥。シックスセンスのように見直しても、残念ながら複線らしきものはありません。このラストは、ほんとはただ喧嘩してただけだったというオチと最後まで悩んだのですが、声優さんや音響さんの意見でも、死んでたほうがいいよということになり、死なせてしまいました‥。人の死で感動させるという構成が嫌だったので、泣きのポイントを完全にはずしたところに死んでることが、うっすら分かる程度の台詞を入れてるため、さらに分かりにくくなってしまってます。
■長い台詞についていくつかの台詞につては元ネタがあります。
まず出だしの長いナレーションですが、気がついた人もいるかもしれませんが、これの元ネタは「彼氏彼女の事情」です。ラノベっぽく感じるのは、カレカノが現在のラノベに大きな影響を与えているためでしょう。内容もそのまま、仮面優等生になってます。クライマックス前の、橋を渡りながら長い台詞を読む部分は、赤毛のアンがベースです。なお、二人のキャラクターのモデルも、実は赤毛のアンとその親友のダイアナです。分かる人には分かる元ネタです。一番最後の長い詩のような台詞は、エウレカセブンのアネモネの独白シーンが元ネタです。もちろん、ほんとうにそっくり台詞をぱくったりしてませんが、声優さんに演技してもらうのに、実際に元ネタがあった方が分かりやすいというのもあって、脚本に添付してお渡ししました。なお、声優さんは本当に大変だっと思うのですが、長い台詞というのは、個人的な趣味で好きなのです。押井守監督やその影響を受けている小島秀夫監督の影響をダブルで受けているので、ほんとうにほっとくとあほみたいに長い台詞を作ってしまいます。長い台詞を嫌がる人がいることも知っていますが、そういう人は、おそらくあまり物語を見ない人なんじゃないでしょうか。ゲームで言えば、WiiFitとかしかやら無い人たち、そういうライトユーザー向けに話を作るつもりは毛頭ございませんww。っていうっか無理ですw。長い台詞が嫌だな~と、思った方は、私の名前を見たら近寄らないことをお勧めします。
■オマージュについて回想シーンの二人の会話ですが、ほとんど物語としての意味がありません。何気ない日常という意図なのですが、実は会話の中に出てくる台詞は、ちょっとしたオマージュになっています。黒髪の子が猫を「チョビ」と言うのは、新海誠監督の作品に共通して出てくる猫の名前です。もうひとつ「ブルー」というのは、ロマのフ比嘉監督のCATBULE DYNAMITEから拝借しています。黒髪の子が自主系のアニメファンだという裏設定があるためです。また、ナイフにキスをしてケーキを切ろうとするカットも、ロマのフ監督のCATBULE DYNAMITEからのパロディですが、本物のかっこ良さとは似ても似つかないものになってしまったので誰も気がつかないかもw。とにかくかっこいいので未見の方はぜひCATBULE DYNAMITEを見ましょう!
■死を暗示させる演出について最後の橋を渡るシーンは自殺をイメージしてしまいますが、それは、メタファーとしての死です。なので、あんまりいじめられたから自殺するという考えで物語を作りたくないのですが、死というのは常に隣にあるものなので、メタファーとして隠したつもりでもどうしても露骨になってしまいます。死んだ金魚が机に置かれているのも、もっとも身近に誰でも体験する最初の死だからです。最後に黒髪の子も死んでいるわけですが、そういう意味では残酷な話かもしれません。なお、前半は明るく、後半突然シリアスになる落差の激しい展開は、「ライフイズビューティフル」という映画の影響です。
最後にこの物語は、繰り返し見ることで(少なくとも2回)印象が変わるという作りになっています。一度見た人もぜひもう一度見直してみてください。一度目の演出では分からなかったキャラの心情が分かって感情移入できるはずです!映画館で見るタイプの映像ではなく、たとえばiPhoneなんかに入れて何度も見れるように作ったつもりです。そのため、可能な限り(私の絵の能力の限界もありますが)キャラはかわいく、台詞は説明的ではなく詩的に作ってあります。実際私自身PSPに入れて暇なときに見ています。自分で自分の作品を何度も見るというのは、なんか気持ち悪い気もしますが、声優さんの演技を聞いているだけでもなんか楽しいのですw。それは、自分の作品であっても他人が関与してる部分だからかもしれません。不思議ですが本当に自分でも楽しめます。
次回は映像演出について、実際にカットを見ながら振り返ってみたいと思います。映像演出についてはかなり失敗も多く、大いに反省すべき点が満載ですw。
(追記)
平行する物語って、例にあげた他にも小説では村上春樹の世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、ゲームだとファイナルファンタジー8、ハリウッド映画だとビッグフィッシュなんかがありますね。こういう物語の構成をなんと言うんだろう??
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nora3dさんの発言
ファイトーー!( ゜ロ゜)乂(゜ロ゜ )イッパーーツ!!
応援してますよ~。アニメたのしかったです。Unreal Girlのほうもみてみたいですw
▼拝見しました
須磨武羅さんの発言
お一人で15分の映像を作るのは大変な作業量だと思います。
感服しました!
それにしても過去ログ見てなかったので解からなかったのですが
「たいせつなじかん」と「Unreal Girl」は別だったのですね・・・
ロボットがなかなか出てこないなーと思って見てましたよw
▼見させて頂きました。
Umenyさんの発言
きれいにまとまっていて大変すばらしいと思いました。
演劇のシーンと現在のシーンは区別がつき、大変わかりやすいですが、現在のシーンと過去(思い出?)のシーンはちょっと判りにくく、混乱しました。また、文字の表示が短くて読み切れないところがあり、再度見直すことがありました。
映像は大変すばらしく、違和感を感じさせず、飽きが無く最後まで見られました。
ホームページで書かれている検証が生かされるともっとよい作品ができると思いますので次回作を楽しみにしています。
▼見ました。
omochiさんの発言
なるほど、作者さんがおっしゃっている様に自分の技術の未熟さに気がつきという部分で共感できます。
blogの方で3Dと作画の違いを相当独自の考え方を披露していたのでこの方はさて、どのくらい凄い物を作るのか楽しみでした。
しかし、上記の作品を見て、なんだこんな物か、と思いました。
勿論素人の方ですよね。確実に映像のプロフェッショナルの方が作ったとは思えないので。
3Dがどうのとか輪郭線がどうと言う前にまず映画、アニメ、映像という物を沢山見る事をお勧めします。
3Dどうこうの前に勉強すべき部分が山の様にあると思います。
アートアニメにしても全然アートっぽく無いですし。
これをバネにして次回作を楽しみにしています。
私、映像作りのプロでは無いので貴方の作品を見せろと言われてもこまりますが、素人が見てもこう思った作品だということをお分かり下さい。
それではがんばって下さい。
▼
九州人さんの発言
一部分ずつ見ていたものの全貌が見れて、すっきり。なるほどこういう作品だったわけですね。毎日コツコツ整合性を考えて、ゼロから作って、途方もない努力ですね。アニメってものを一人で全部作ることも出来るとは、その発想自体無かった。師匠猫かわいいですね。モデルがいるのかな。
▼ご意見ありがとうございます!
marsunさんの発言
nora3dさん
ありがとうございます!今仕切りなおして制作を進めています!!
須磨武羅さん
す‥すみませんwUnrealGirlも宜しくお願いします!
omochiさん
私はゲームを作っていた人間なので、映像を自分で一人でやるのは、この作品が初めてです。当時三国無双というゲームを携帯に移植する際に、30FPSのものを12FPSにする必要があって、そのときにアニメの勉強を始めてのめりこんでしまい現在に至ります。なお、今回の作品を作った反省点から現在もっとクオリティの高い映像を準備しておりますのでご期待下さい。最近ブログで描いてる要素はこの作品には一切入ってませんw。完成してから研究をはじめたので‥。そもそも、演出含めてアニメや映画ではなく、演劇だと思って頂いた方が分かりやすいかと思います。演出や台詞なんかは演劇を意識しています。
九州人さん
ありがとうございます。猫は実家で飼っている猫がモデルですw。かなりそっくりw。
いろいろご意見ありがとうございます。現在すでに次回作に取り組んでおりますので、ご期待下さい!
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marsunさんの発言
Umenyさん
文字の演出は見やすくすると手抜き全開に見えるので悩みましたw。もう少し調整した方がよかったですね‥。シャフトのように完全に読めないとほんとうに話が進まないので、そこまでクールにも出来ないし、予算があれば朗読した方が親切でしたね‥。自分で朗読しようとおもったのですが、プロの声優さんと間に入ると無理ですw
次回作頑張ります!
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Yanaginoさんの発言
今頃ここに書き込んでしまっていいものでしょうか・・
見て思ったのですが、カメラを回し過ぎな気がします。
トゥーンは3Dを手描きっぽくするようなモノなので、カメラも手描きアニメっぽい使い方のほうが綺麗に見えると思いますよー。
回り込みとか3Dは便利ですけど、何度もカメラを動かしちゃうとおかしな映像になってしまいます。
何でも出来るから何でもやってしまいたい所ですが、何でもやってしまうのは逆効果。って聞いたことがありますよー。
頑張ってください、応援してますー。
うちも作らんと…気合入りました!
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-さんの発言
Yanaginoさま
コメント有難う御座います。
おっしゃるとおり、カメラは動かしすぎてしまいました。
なんで動かしたら駄目なのかというのは、いまは分かるのですが、当時は、分からないので動かしてみよう!という感じで作ってました。
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月の声さんの発言
カメラがキャラクターを追うのはソフトの仕様ですか?
1カット1カットの「意味」をもっと大切にするべきだと思います。キャラクターが映っていてもいなくても。
前半の間があまりにも重くて。
後半のダイナミックなシーンは綺麗にまとまってたと思います。(ありがちだからでしょうか)
作者さんは、アニメを描く人になりたいんでしょうか。
物語から作る人になりたいんでしょうか。
後者でしたら、技術よりももっともっとコンテを勉強しないと、作品として舌っ足らずになります。
ゲームに挿入されるムービーというレベルを超えるにはそれが一番大切だと考えています。
それでも個性とか、メッセージ性はとても伝わりました。