■ 【コミック感想】電波の城

電波の城 1 (ビッグコミックス) (2006/04/27) 細野 不二彦 商品詳細を見る

電波の城は、ギャラリーフェイクが好きなので、連載当初から気になってはいたが読んでなかった。
もし、初期のころから読んでいたら、それほど面白さが分からなかったかも。

現在10巻まで出ていて、かなり核心まで来ている。一気に読むと連載開始から仕込まれていた複線が解消されていくにつれて快感を感じると思う。

★複雑な多重構成の物語になっている。
複数の物語が平行して、最後にまとまる展開になっている。読んでる途中では、なんでこの話が同時展開しているのか疑問を感じるかもしれない（もちろんわざとそうしてある）その異なる話がつながっていく瞬間が面白い。

★連載開始時にラストを想定している。
これは、作者に聞かないとわからないので違うかもしれませんが、話が細部まで計算されていて、すごくまとまっている。10巻まで通してみたところ、まったく破綻が無い事から、計算された物語だと思われる。

★綿密な取材に基づいたリアリティのあるストーリー
ギャラリーフェイクの時も思ったのですが、かなり取材がしっかりしていて、その取材がアイデアとしてうまく物語りに活かされている。そのため、とっぴな展開にもリアリティがある。

さすが、ベテラン細野先生の作品だけあって、すべてにそつが無い。でも一番いいのは、主人公「雨宮詩織」のキャラクター！毒くらげとか言われてますが、ぎりぎりの悪女感がすばらしい。朗読が物語の鍵になっているのもいい感じです！どっちかといえば、ドラマ化しそうな内容ですが、アニメ化してほしいなあ。