■ 榊正宗（marsun)のやりたい事について

突然ですが、わたくし榊正宗（marsun)がやりたい事について書いておきたいと思います。

サラリーマンをやめて、一切収入の無い「失われた1年」を過ごす決意をしたわけですが、それについて、どうも誤解があるようなので、ここにまとめておきます。

経済のしがらみから外れたモノづくりをやりたい！

と言う様なことを言ったのですが、自分が好きなように、好き勝手にやりたいという訳ではありませんので、言い換えておきたいと思います。

作品に対して、愛情を持って取り組みたい。

これは、自分の人生よりも作品の方が大切だという風に理解してもらっても良いと思います。

この考え方というのは、他のどんなモノづくりに当てはめても、一番の理想だと思います。
それは、サラリーマン時代も同じでした。
しかし、現実は甘くありません…。

理想はそれを実現するためのシステムが暴走して自壊する

理想を実現するためにシステムをつくるのですが、そのシステムが原因で理想が壊れることが本当に多いのです。しかし、システムがまったく無ければ、理想を実現する事が難しいのもまた事実です。

いまの世界同時不況なんかも、その根っこには理想的な資本主義があったはずです。経済方面に詳しいわけではないのであまり書けませんが、暴走したシステムが理想にとって最大の脅威であることは間違いないと思います。

人が何かを成し遂げようとするときシステムは重要です。しかし、そこに個人の利益が絡んでくると、たちまちシステムが暴走を始めるのです。

わたしは、システムを暴走させないために重要なのは無私の精神だと考えています。

一人で作る自主制作というシステムであっても、自分の利益のためにだけに作りはじめれば、あっという間にシステムが暴走して、本来やろうとした事から儲け話なんかに話がどんどんずれてしまうのです。

例えば、アニメは大変だからキャラだけ作ってグッズで儲けようとか…。
これは、システムの暴走以外の何者でもなく、明らかに理想と反しています。グッズを作るのがダメだといってるのではなく、アニメを作ろうとしていたのに、そっちをやめてしまう事が問題です。

無私という言葉はもしかしたら馴染みがないかもしれませんので、偉人の言葉を紹介しておきます。

すべての冒険が、どれもこれも、はなばなしいものだとはかぎりません。
また、冒険というものは、山にだけあるものでもないのです。
わたしたちの日常生活の中にも、
その頂上に登らなければならない「エヴェレスト」がいくつもあるのです。
「エヴェレスト」に登ることができたのは、みんながじぶんをすて、
一つのかたい決心にかたまったからなのですが、
この無私と決意があるかぎり、人々の精神は、
より高き聖霊のみちびきによって、
どんな高いところにも登ることができるのですし、
またどんな深い所にも達することができるのです。
（「エヴェレストをめざして」ジョン・ハント作　松方三郎訳：岩波少年文庫より）

この本を読むと良く分かるのですが、エヴェレスト登頂を成功に導くために、精神論だけでなく驚くほどしっかりとした登山のためのシステムが駆使されています。そのシステムについて子供向けの本とは思えないほど詳細に説明してあります。しかし、そういったシステムがあっても個人の名声とか国家の名声が絡んでくるとたちまち悲劇に結びつき、多くの登山家が命を落としているのです。

では、最後に私のやろうとしてる事を、まとめておきます。

榊正宗は、この1年間、

作品に対して無私の精神と愛情とシステムをもってアニメーションの制作に取り組みます！